優良な清掃会社を見極めるためには、依頼者が清掃業の基本的なことを知っておくことが大切です。
清掃業の仕事は比較的イメージがつきやすいため、基本的なことを分かったつもりになっているだけであることも少なくありません。
しかし清掃業は、一般の人にはあまり知られていない面もあります。
本記事では、清掃業の種類や仕事内容、関連した資格について紹介していきます。
清掃業の種類と仕事内容
清掃業の仕事は清掃をする場所により、主に以下のように分けることができます。
ビル清掃
ビル清掃は、オフィスビルや商業施設などのエントランスや階段、通路、トイレなど共用部分を掃除する仕事です。
基本的に、テナントの専有部分の清掃は行いません。
ビル清掃には、「日常清掃」と「定期清掃」があり清掃内容が異なります。
日常清掃ではバキュームという業務用の掃除機を使用したり、モップがけをしたりします。
トレイの掃除や、ゴミ箱のゴミ回収なども日常清掃として行う仕事です。
定期清掃は、年に数回程度行う大掛かりな清掃のことを指します。
例えば、洗剤とポリッシャーという業務用の機械を使用して掃除してから、ワックスを塗布するような作業が中心です。
日常清掃も定期清掃も、複数人のスタッフでチームを組み、担当箇所を分けた上で行います。
オフィス清掃
オフィス清掃は、オフィスビルの専有部分を掃除する仕事です。
具体的には、オフィスの従業員が仕事をしているスペースや給湯室などを掃除機やモップなどで掃除します。
流し台の掃除やデスクの拭き掃除、ゴミの回収なども、オフィス清掃の仕事です。
基本的に、オフィスの始業前か就業後の時間帯に掃除を行うため、オフィスで働く従業員の邪魔になることはありません。
また清掃を行う回数などは、依頼する企業の方で決めることができます。
普段は従業員が簡単に掃除をして週に1回だけ清掃会社から綺麗にしてもらうことも、毎日頼むことも可能です。
もちろん、週に2〜3回の頻度でも問題ありません。
窓ガラス・外壁清掃
ビルの窓ガラスの外側の部分や外壁を掃除する仕事です。
主に昼間の明るい時間帯に高所作業車やゴンドラなどを使用して行います。
他の清掃業務よりも、危険を伴います。
ホテル清掃
ホテル清掃は、主にホテルの客室を宿泊客がチェックアウトした後に清掃する仕事です。
床の掃除機がけやテーブルの拭き掃除、トイレ・浴室の清掃、ゴミの回収などが仕事内容となります。
加えて、ベッドメイキングやアメニティの補充なども行います。
連泊中のお客様が使用している部屋に関しては、外出中に掃除することが多いです。
短時間で何室も掃除しなければならないことも多く、ビル清掃やオフィス清掃などと比べてスピーディーな対応が求められます。
また、ホテル清掃は客室だけではありません。
エントランスやエレベーターなどの共有スペースの掃除も行います。
ホテルの共有スペースを綺麗にしておくことは、顧客満足度にも繋がるでしょう。
清掃業に関わる国家資格
清掃業に関わる国家資格は、ビル清掃に関わる資格とそれ以外の資格に大別できます。
ビル清掃に関わる国家資格
ビル清掃に関わる国家資格は、ビルクリーニング技能士、清掃作業監督者、建築物環境衛生監理技術者、建築物清掃管理評価資格者などがあります。
ビルクリーニング技能士は、随時級と基礎級、1~3級に分かれている資格です。
全体の合格率は30%程度と比較的難しく、資格保有者は級に応じたビル清掃に関する技能が証明されます。
建築物環境衛生管理技術者は、ビルの設備管理と衛生管理に関わる資格です。
合格率は20%程度で2年以上の実務経験も必要になります。
清掃作業監督者は、清掃作業の監督をする人が必要な資格です。
受験するには、ビルクリーニング技能士の1級と建築物環境衛生管理技術者の資格を保有していなければなりません。
建築物清掃管理評価資格者は、清掃業務の点検や改善策の提案などに関わる資格です。
有資格者がいる会社なら品質面で期待が持てるでしょう。
ビル清掃以外の国家資格
ビル清掃以外では、病院清掃受託責任者やハウスクリーニング技能士などが挙げられます。
病院の清掃においては、通常の建物の清掃と異なり、感染症予防や医療廃棄物の処理などに関する知識が必要です。
そのため、清掃会社が病院清掃を請け負う際には、病院清掃受託責任者を配置しなければなりません。
取得難易度はあまり高くありませんが、有効期限が設けられており4年毎に更新が必要です。
ハウスクリーニング技能士は、一般住宅の清掃に関する技能を証明する資格です。
筆記試験と実技試験に分かれていますが、実技試験の難易度が高いため有資格者なら、清掃技能に期待が持てるでしょう。
清掃業に関わる民間資格
ここでは、清掃業に関係のある民間資格について紹介します。
ハウスクリーニングアドバイザー
一般住宅の清掃技能を証明する資格で、内容的にハウスクリーニング技能士と共通する点が多いです。
有資格者は、一般住宅内の清掃に関する正しいやり方や、道具の使い方などについて熟知しています。
クリンネスト1級
クリンネスト1級の取得者は、ハウスキーピング協会に認定され「クリンネスト」と名乗ることができます。
清掃のプロとして認められ、一般住宅の中の清掃技能や知識が身についていることを証明できる資格です。
エアコンクリーニング士
エアコンクリーニング士は、その名の通りエアコンの清掃に特化した資格です。
日本エアコンクリーニング協会が「JACAエアコンクリーニングスクール」を運営しており、そのコースを受講した上で試験に合格すると資格を取得できます。
エアコンの清掃を会社に依頼する際には、スタッフがエアコンクリーニング士の資格を持っているかどうか確認しておくといいでしょう。
清掃業の仕事内容や資格について知っておきましょう
清掃業の仕事内容は、清掃する施設の種類や場所などによって異なる面が多く、必要とされる技能や知識も異なります。
例えば、ビルの清掃を会社に依頼するなら、なるべくビル清掃の技能が高いスタッフが在籍していて実績のある会社を選ぶようにしましょう。
また、清掃技能の高いスタッフは清掃に関する国家資格や民間資格を保有していることが多いため、資格を保有したスタッフを抱えた清掃会社に依頼することをおすすめします。